水耕栽培は文字通り水を使った栽培方法です。
土耕栽培の基盤である土の代わりに水を使って栽培するのですが、栽培する植物によっては水だけでは栽培できないものあります。
その時にはやはり土が必要なのですが、植物の栽培で使われる土とはどのようなものなのか。
そして水耕栽培で土を使わなければいけない理由と水耕栽培で使われる土について見ていきたいと思います。
タダの土では野菜や植物は育ちません
野菜や植物の栽培には植物が育つ基盤が必要です。
土耕栽培ではその基盤が土となるのですがどのような土でもよいと言う訳ではありません。
栄養分を含んだ土でないと野菜や植物が生育するために役目を果たせません。
また単に土に肥料を加えただけでは植物は十分に生育する事が出来なく、生育するために必要な成分、環境も土の中には必要です。
そこで野菜や植物の栽培に一般的に使用される土が「培養土」と呼ばれるものです。
この培養土は腐葉土、石灰、肥料などを混ぜた土で、植物が生育するために必要な条件を揃えた土となります。
この培養土を構成するそれぞれの材料が持つ植物が生育する為に必要な要素、役割はどのようなものなのでしょうか。
培養土が果たすの役割とは何か?
培養土の主たる部分を占めるのが腐葉土です。
この腐葉土は枯れ葉や虫の死骸が分解されて混ざった土ですが、完全な土の状態は堆肥と呼ばれこの腐葉土は葉の形を少し残した状態の土となります。
役割としては保水力と肥料の成分を保つ力の保肥力を高めることと同時に余分な水分は排水する役目も果たします。
次に石灰ですがこれは土が酸性になることを抑制する役目を果たします。
土は雨が降ると酸性化が進み、土壌を作り上げていく微生物が住みにくくなり土壌環境の悪化が進みます。
この酸性化を抑制する為に石灰が必要となります。
そして肥料ですがこれは言わずと知れた肥料です。
野菜や植物の栽培の肥料の養分としては窒素、リン酸、カリウムが主成分となります。
窒素は葉が育つために必要な養分で、リン酸は果実の生育。
カリウムは根の生育に必要な養分となります。これらをバランスよく含んだ土が培養土と呼ばれます。
水耕栽培で使用する土とは何か?
これまでは土耕栽培で使われる培養土について書いてきました。
では水耕栽培でも同じような培養土が使われるのでしょうか。
水耕栽培の場合は植物は栄養素を液肥から吸収しますし室内で水耕栽培を行っていれば雨に打たれることもなく土壌が酸化することもありません。
そして常に根は液肥に使っている状態となるので保水性も必要ありません。
ではなぜ土の話をするかと言いますと水耕栽培でも土を使う事があるからです。
通常培養土は使用しませんが、ある程度の高さがある植物の栽培では液肥に付けたままでは植物は倒れてしまいます。
そこで植物を支える必要があるのでこの支えの為に土を使う場合があるのです。
主に使われるのはバーミキュライトと呼ばれる石を細かく砕いたものとハイドロボールと呼ばれる玉状の人口の土で崩れることはありません。
これらの土は栄養分はほとんど持たず、液肥を保水する機能が主です。
土耕栽培とは土の役目が異なりますがこれらの土を使う事で水耕栽培の幅も広がるのではないでしょうか。